愛を込めて

賑やかな部屋へ帰る道。
不意に込み上げてくるものがあった。

帰りたいのに帰りたくない、そんな気持ち。
仕事を早めに切り上げて大切な人たちが待つ部屋へと向かう。

玄関を開けると聞こえてくる
「おかえりー!」の声。
僕はこの声を聞くために外へ出ているのかもしれない。
最後の日
とってもとっても寂しかったけれど、れんくんがはしゃぐ姿と彼女の笑顔を見ると自然と僕の心も和らいでいった。

さみしいが
いとおしいに変わっていったのを感じていた。

共にベッドへ入る。
お互いの一日をねぎらい、肌と肌が触れ合ったとき、幸せです。

込み上げる寂しさと
愛情と
幸福感。

それでもわがままな僕は寂しさに負けそうになっていたとき彼女は。

楽しそうに玄関のレイアウトをしていた。
K A W A S A K I
の文字と3人の思い出の写真。
どの写真も笑顔にあふれていてこの家の雰囲気を表していた。

瞬間瞬間の感情に流されがちな僕は、玄関を彩る彼女。
また会えばいいよ?
と屈託無く笑う、れんくんにただただ力をもらっている。

特別なことはしなかったけれど、素敵なスタートとなったこの日々を僕は忘れないだろう。

ありがとう
ひーちゃん れんくん。


愛をこめて花束を 大袈裟だけど受け取って
理由なんて訊かないでね
今だけすべて忘れて 笑わないで受けとめて
本当のわたしを

いつまでもそばにいて

------------------------------------------------

だいすき





良太の世界

川崎良太_official Web site 脊髄性筋萎縮症な僕と家族の物語り。 障害があっても地域で幸せに暮らしていく。

0コメント

  • 1000 / 1000